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「お山の教室」第73回
『歩く 〜足のメカニズム〜』

開催月日:2018年7月18日(水)13:30~15:30の予定(13:00~受付開始)
講師:桑原靖さん(足の診療所院長)
場所:板橋区ハイライフプラザ
参加者:26名

 

主な内容

①足の構造について
②生まれつきの構造と故障の関係
③足の故障とその影響
④足の故障対策とその考え方
⑤質疑応答

 

レポート

今回の講師、桑原靖先生は足のクリニック 表参道の院長として、足に悩みを持つ多くの人の悩みを解決している医師である。

桑原先生は海外には歯科医院と同じような扱いで足専門の医療機関があるのに、日本に足を専門的に診る医療機関はほとんどないという状況に疑問を持ち、クリニックを開設したという。目の付けどころがユニークだが、私たちのように足を酷使する者にとっては、まさに望んでいた医療機関である。それだけで桑原先生の話の内容は興味津々であるが、それを裏付けるように会場は満員。開演前から参加者の熱気であふれていた。

桑原先生はまず足の構造から解き明かしていった。足は非常に複雑な構造物。片足で26~28個の骨で構成され、すべての骨が一つの関節面で合わさっているという。これが横断面ではアーチ構造、縦方向ではトラス構造を構成して、人の体重を支えているのである。

ただ、人には構造(骨格構造)が強い足の人と、構造が崩れやすい(柔らかい)足の人(偏平足など)がいる。どちらになるかは生まれつきのことが多く、遺伝によるところが大きい。例えば母が外反母趾だと娘も外反母趾になりやすいという。

そこで、足の病気である。外反母趾、強剛拇趾、陥入爪(巻き爪)、胼胝(タコ)、鶏眼(ウオノメ)、足底腱膜炎、モートン神経腫(足の指と指の間がしびれる病気)などなど。これらはすべて足の構造の崩れに原因があるという。さらに足の構造の崩れが膝痛や股関節痛にもつながってくるというから恐ろしい。

これらの足の病気は手術でも治すことができるが、そもそも原因は足の骨格構造が弱いことにあるので、インソールで矯正するのが良いという。インソールといっても柔らかいものでは意味がなく、一人一人の足の構造にあわせて作った硬いインソールである。インソールによって足に正しいアーチ構造とトラス構造をつくることで、足の構造の崩れを原因とする病気の悩みはかなりの部分、解決できるのである。

さらに、「巻き爪の原因は爪切りの失敗・深爪によるもの」や、「外反母趾の原因はヒールを履いていること」などなど我々が常識と思っていることが間違いであったとの指摘。靴選びの話、足のセルフメンテナンス、正しい歩き方など、私たちにとっては興味の尽きない話が続き、時間が足りないと感じるほどの内容に参加者は皆、大満足だった。

専門家の話を聞くと、いい意味で私たちの常識が間違いだったと気づかされることが多いが、桑原先生の話もそういった一つの好例である。参加した方は皆、目からうろこが落ちる思いだったに違いない。

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