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「お山の教室」第85回
『登山の救急処置』

開催月日:2019年7月31日(水)13:30~15:30
講師:岡部紀正さん(相模原南病院副院長)
場所:板橋区ハイライフプラザ
参加者:26名

 

主な内容

登山は危険と隣り合わせの活動で、山に行けば行くほど経験値は高まりますが、様々なリスクに直面する確率も上がります。山でトラブルと出合った時どうすればいいか、新ハイ会員で、現役の外科医である岡部紀正さんに、具体的な対処法をご教示いただきます。

① 基本として押さえておくべきこと
② 高山病
③ 突然の意識障害、突然の頭痛、突然の胸痛、けいれん
④ 熱中症
⑤ 低体温症
⑥ 蜂刺症、マダニ刺咬症

 

レポート

今回は長年登山家、カメラマン、医師、新ハイの筆者として活躍されてきた岡部紀正先生による、登山の救急処置に関するお話でした。

① 山は自己責任の世界であり、山に病気を持ち込まないことが大切であるという話から入りました。特に最近の中高年登山ブームの中でさらに重要性が増している自己責任の認識の必要性、すでに常識となっている山岳保険と山行届の重要性をわかりやすく説明され、まず救急処置より山に入る前の準備の方が大事であることを再確認させていただきました。

② 高山で発症する人の多い高山病。その概要と診断、予防の方法を丁寧に話していただきました。ここで分かったことは高山病になったときにはまず頭痛があり、そのうえで消化器症状、疲労又は脱力、眩暈又はふらつき、睡眠障害の4つのうち1つ以上が現れるということ、予防はゆっくり登ることと、水分補給、そして発症してしまったときは早めに下山することが大事だということでした。

③ 過度の疲労や脱水等による意識障害についても診断方法やそうなってしまった時の対策をわかりやすく話していただきました。

④ 夏の登山中に起こる熱中症の危険性から入り、軽い方から熱疲労、熱けいれん、重篤な熱射病3つの段階があること、応急処置や予防法として高温多湿の激しい登山は避ける、塩分を含む水分の補給を心がける、着衣を調節し日よけ帽をかぶるなどの予防法を解説していただきました。

⑤ トムラウシ山の事故でわかるように、冬だけではなく、夏山でも気象条件によってはいつでもその危険性がある低体温症について診断方法と応急処置、その後の対策などについて話をしていただき、特に体温低下を防ぐことの大切さを知ることができました。

⑥ 蜂に刺されたことによるアナキフィラシーショックの恐ろしさやその治療薬エピベンの話は興味深く聞くことができました。
すべてが今後の山登りに役に立ちそうな話ばかりで、とても有意義な意図時を過ごすことができました。 岡部先生、ありがとうございました。

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